撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

いかづち

夕方、仕事から車で帰る
空は暮れかかりながらも青
そして時折それが浮かび上がるように明るくなる
いく筋もの稲光が空を横切る


まだ雷は遠いらしく音はほとんどしない
ただ明るく光る空がいっそう恐ろしいようで
それでもこの上なく美しい気もして
もし
雷に打たれて死ぬのなら
どうぞ一瞬のうち、考える暇もなく命を奪ってください
と、どうしてそんなことを考えたのかわからないような考えが浮かぶ
それほどまでに自然の絶対的な力を感じたのだろうか・・


なぜか
「いかづち」という言葉を思い出した
なぜか雷ではなくいかづちという名前が相応しいような・・
調べてみるといかづちの語源は
厳(いか)つ霊(ち)・・らしい
昔から雷は特に恐ろしく神とかかわりが深いと考えられていたらしい


時に厭世的になり、生きていくことに昔より強い執着もないこの頃
それでもいくつかの約束といくつかの楽しみな計画は外せなくて
なんて自分のためだけに生きているのだろう、わたしという人間は
と、半ばあきれながら、
そう・・私は私をわかってくれるいくらかのひとたちと
楽しい時を重ねたくて
その楽しい時を重ねるために日々を過ごし
そして悲しい気持ちにさせられるような出来事が少しでも減るように
つとめていくことが私自身を傷つけられることもきっと減らしていけるのだろうと
まだ癒えきらない心を抱えながら明日を迎える準備をしている