撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

かりそめの春

すこし緩んだ空気に
優しい嘘が似合う
春だから許される軽口


触れ合う肩に温もりは感じても
握るその手はなにも語らない


本当の恋を知ったらね
偽りの恋は要らないのよ


ほら
解いた掌に余韻は感じない


いまはまだかりそめの春
私の胸の中
梅の花すら硬き蕾のまま