名残の夏の・・・立秋
昨日の午後、何回か激しく雨が降った
庭は土も木もびしょぬれだった
あの子が逝ったのが一日ずれてなくて良かったと思う
昨夜は久しぶりにクーラーなしで眠った
午前五時半、一番早起きの蝉が鳴き始めたかと思ったがいまは声がしない
風が変わった?
ひんやりとしたものが肌をそっと撫でていく
ふと縁側に目をやる
そこになにかの気配があるようで・・・
昨日夫婦ふたりの遅い食卓でだんなが
「勝手口を開けると思わず左をみてしまう
そこにはもういないのに・・」
とつぶやいた
そうやね・・と応えてどうしよう・・と思っていたら
クドカンドラマの「おっぱいでっけ〜!」がその場をカラッとさせてくれた
心の中に暖かさだけが残る
そこにいてくれたこと
それだけでいっぱいもらっていたものがあったこと
最後の二週間、気ままに庭を歩きまわっていた彼は
そこかしこに彼の気配を残してくれた
今日感じるこの感触は「そこにいない」冷たさなのかもしれない
本当に夏が終わってしまったのではないかと思う
しかしながら・・
その冷たさは決して嫌なものでも感じたくないものでもないのだ
そしてふと思う
いつか彼を涙なしに思い出すことができる頃には
この気配はきっと暖かい日だまりになっているに違いない・・と
こんな日に読み返したくなる本・・・
- 作者: 内田善美
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1981/05
- メディア: 新書
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