撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

思い出

たとえば音の出なくなったオルガン
日に晒された古いピアノ
ギターのネックに下げられたマスコット
一輪活けられた窓辺の花


たとえばふたりで見上げた花火
ずっと歩き続けた夜の街
夜明けに走らせた二人乗りの自転車
闇に響く波の音


寄せては返す波のように
思い出は次から次へと浮かんでは消える
心の中にいったいどれだけの記憶を持つのか
忘れていた笑顔も笑い声さえもよみがえる


いつもいつの日も
何かに想いを寄せることができるということは
なんて幸せなことなんだろう
その幸せはきっと明日への力をくれる・・・