撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

一瞬の夏

ラグビーのクラブチームの月会報の記事部分をファックスでもらった



「この先高校なんかでラグビーすることはあっても
 もうこのチームじゃないんよね・・悲しい・・悲しい・・悲しい」


不意に淋しさがこみ上げる
9年間の思い出がよみがえる
さまざまな出会い、衝突、ためらい、喜び、涙・・・・・


私の中での最後の練習は
小学生から中学生までが一堂に集まった日曜日だった
ずっと子どもたちがお世話になってきた芝生の感触を
サンダルを脱いで確かめてきた
もうずいぶんそんなことはしていなかったけれど
思っていたより、記憶していたはずのものより
芝生はずっと柔らかくてすこしひんやりして優しかった


次男たちのチームのひとつの夏は終わったけれど
本当の夏はこれから本番
二度と来ない今年の夏のなかでも
とびきりの思い出に輝く一瞬の夏を
みんなそれぞれ焼きつけるのだろう
芝生の匂い
潮風の匂い
雨の匂い
花の香り
言葉にしたらそれだけだけれど
本当は誰とも分け合うことができないほど繊細に鮮烈に
今年の夏も忘れられない夏になるのだろう


どこのどんな神様のもとで過ごすのかは知らないけれど
どんな神様でさえ思わず微笑んでしまうほどに
ただひたすらに輝いていられますように・・・