撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

こみ上げる(ゲゲゲの女房)

しっかりしなきゃ
ここでやっていくってきめたんやけん


そういった布美枝の唇の端が泣きそうにゆがんでいたのが
こみ上げる淋しさがこぼれおちそうで切なかった
ふたりでいるのにひとりを感じるのはなおさら淋しい
しかしながら
ひとりで生きていた人にとってはふたりでいることも
また試行錯誤しながら経験しなければ楽しめないことなのだろう
ひとりではやっていけなくても二人ならなんとかなる
とは、少し昔によく言われた言葉だけれど
それはふたりの心と力を合わせることをしてのことなのだろう


布美枝の唇からふとメロディーがこぼれ出るのが
どこか明るいもの優しいものを感じさせて好きだ
きっと茂にもその声は届いているだろう
いつかその声も彼にとってなくてはならないものになるのだろう