撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

キャプテン

 ヒガシとケイコウの試合で一区切りついてしまった気分の私。ごひい
きを通り越して私情で好きな選手がいるとミーハー以下の見方をして
しまう・・(笑)。


 それにしても両校の準決勝の試合は素晴らしかった。でも感じるのは
レベルが高ければ高くなるほど、ちょっとしたミスが命取り、基本プレイ
の精度が本当に大切になっていくのだなあ・・。逆にやるべきことを
きちんとやっていくと必ずチャンスは巡ってくる。あとはこれまた
そのチャンスをいかに逃さずにものにするかということでしょうね。


 うちのダンナはリアルタイムで観られなかったのがご不満。なんで
峻をスタンドではじめなかったんだ〜!途中からセンターという
前の試合のパターンで良かったじゃないかぁ〜!と、監督に八つ当たり
しそうな勢い。まあ・・結果のわかってる試合を観るのはいまひとつ
・・という気持ちは・・・仕方がないね。


 確かに峻のプレイを観ているとラグビーが面白くなる。峻と一緒に
ボールを持つとラグビーが楽しくなる。だからこそずっと目が離せない
でいるのです。でもってそのおかげで目に入ったのが、猿楽キャプテン
のこと。彼の笑顔がたまらなくよかった。がんばった仲間を称えるときに
見せる手放しの純粋な笑顔。ちょっぴりチームが停滞したときに手を
叩きながら仲間を鼓舞する温和でいながら冷静な笑顔。ヒガシくらい大
所帯で、レギュラーの中も1年から3年まで混ざっているチームという
のはそれはそれなりに大変だろうと思う。ラグビーマガジン別冊の記事
に各選手が尊敬するひと・・というのがあるけれど、布巻選手がこの
猿楽キャプテンを挙げていたのも今となってはなんとなくよくわかる
ような気もする。


 「ラグビーを楽しむ」なんて言葉ではよくいうけれど、実際それは
そんなに簡単なことでもない。好きになって苦しんでそれでも離れられ
なくてやっぱり大好きなんだって思って・・・その間ずっとひたむきに
純粋にラグビーに向き合って初めてほんとに到達できるようなものだ
と思う。天才がいるとしたら、それが苦にならない才能を持っている
ひとのことだと思う。苦にならないだけで苦しまないわけでは決して
ない。


 キャプテンに資質がいるとすれば、「ラグビーを愛していること」
だろうか・・などと考えてみる。そして愛するということは、それに
常に真剣に向き合っているということ、自分のその時々のすべてを
出し切っているということ。そしてその上で自分だけでなく周りまで
気を配ることのできるだけの余裕というか冷静さというかそういう
ものを持っていること。そんなプラスアルファを持ちながら自分が
全力を尽くしているひとは、何より清々しいし、同じに頑張っている人
を、苦しんでいるひとを、認め受け入れることができるような気が
するのです。