撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

年齢なんて関係ないね

 いい男みっけ。自分も2年目だけれど、始めて間もない私を気遣って
くれる。配属が変わって担当することがいっぱいあってめちゃくちゃ
忙しいはずなのにいえ・・みなさん僕以上に忙しくしてありますから
と、精一杯動いてフォローしてくれる。休みだったはずなのに会社に
出てきていて、私が問い合わせをするとすぐ動いてやってきてくれた。


 仕事も終わり、それでは・・と見送ってから外で声がしたので出て
いってみると、表でひとりで壁に向かってキャッチボールをしていた
少年となにやら話していた。いつもひとりで淋しげにグローブをつけ
ている少年がなんとも素直な笑顔を見せている。そういえば彼も野球
青年だったとか・・。上からでも下からでもなく、ただ自分のままに
誰にでも接するそのまっすぐなこころが心地よいのかな?


 いいね、そういう風に何のてらいもなくひととしゃべれるって好き
だな・・って伝えて何だかそんな彼に出会えたことに感謝したくなっ
た。年齢なんて関係ない。素敵だと思えるひと、尊敬したいと思える
ひとはふとした日常で見えてくる。


 じゃあ、お疲れ様でした、気をつけて・・といっても一度見送ると
さっきまでなかったタバコの箱が道端に捨てられているのをひょいと
掴んで自分の自転車のかごに入れようとする。「捨てておきますよ」
と、それを奪い取り、今度は本当に見送った。本当に年齢なんか関係
ない。見えているひとにはものごとがきちんと見えている。彼のひた
むきさと、謙虚さに拍手。いくつになってもそんな大事なことを忘れ
たくない・・と思わせてくれた彼に感謝・・・です。