撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

 仮眠をとりながら夜なべ仕事をしていたら本当に夜を明かして
しまった。明け方ゆっくり湯船に浸かる。そしていま・・・。


 昨日、庭木の剪定に入ってもらったすっきりとした樫の木の幹から
力強いせみの鳴き声が聞こえる。日の昇りきらないうちからその命を
搾り出すような響き。


 ひとにいろいろな生き方があるようにせみにもいろいろな生き方が
あるのだろう・・などと考えてみる。ひとの一生とて永久の流れの中
のほんの一瞬でもあるのだから・・・。


 昨日のお仕事ドライブのお供のBGMは、前の日に一緒に連れまわした
次男の好みでリップスライム。わたしの好みとしては懐かしめの
「楽園ベイベー」など。


 夏の朝も悪くない。蒸し暑さの予感がけだるくもあるけれど、どこか
官能的なものを揺り動かす充分な湿度と温度を持っている。朝の気分を
上げていくのに理屈など要らないのかも知れない。今日もわたしは
生きているんだ。せみが声をあげるように、ただ生きて、笑って
楽しんで・・そう、起こり得るすべてのことを不安を抱えながらも
慈しんでいこう。


 自分を大切にすることって、生きていることを感謝することかも
しれない・・・などとふと思う夏の朝。