撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

数学と家事

 仕事のお勉強で中学生相当の数学の問題をこのところ解いている。
本日因数分解に突入。中三の途中で数学に翳りが出てきた覚えのある
わたし。もともと数学的考え方が弱いとの自覚あり。


 それでもまあ・・中学レベルの因数分解なら何とか・・。とりあえず
今日の予定の分をやり終えて台所にもどって水を飲む。


 ふと思いつく。因数分解は皿洗いや洗濯物、その他もろもろの家事を
効率よく終わらせる考え方に似ている。経験によって得た公式にあて
はめながら、同じ種類のものをまとめつつ、なるべくすっきり綺麗な
かたちに無駄なく仕上げる・・・。考えなしにやってはダメだけれど、
あまりに考えすぎても先に進まない。


 高校の時に習った数学の先生がいつも「きれいなかたち」「美しい
こと」という言葉を数学に使っていたことを思い出す。あのころは
いまひとつピンとこなかったのだけれど、いま、綺麗に洗い上げて
洗い桶に整然とならべた食器たちや、物干し竿に気持ちよく並んだ
洗濯物をみるときの気持ちと少し似ているんじゃないかとふと考えたり
するのだ。


 人生経験が増えたからといって、数学がよくできるわけではないけれ
ど、数学を楽しんでいたひとの気持ちは少しだけわかるような気が
する。若い頃に勉強で悩んだことも、この年までいろいろやりながら
生きてきたことも、きっと意味があることにもう一度気づけると思う
と、苦手な数学も楽しみになりそうな気がしている。