撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

薄い壁一枚(ちりとてちん)

 草々の心の中に確かな変化あり。昨日の天狗座で喜代美を
見ていた視線は今までのものとは違うまっすぐな男の視線で
観ててドキドキした。すぐに目線を変えたけれど・・。


 壁一枚へだてて、お互いがお互いを想う・・壁に温もりを
感じるように手を触れさせて・・・。壁を挟んでの会話。
顔が見えないからこそ自分の心を抑えて兄弟子・妹弟子の
会話をする。うつむいて何かを耐えるように兄弟子の声を
出す草々はこちらからは見えるが喜代美には見えない。


 不動産屋についてきて、何故か不機嫌に見える草々もおかし
かった。心が分かっていればそれも可愛いものだけれど、そりゃ
喜代美ちゃんからみればなんか怒ってるの?迷惑だった?って
思うよねえ・・(笑)ひとつ伝わればすべてするすると流れる
ように伝わっていくのだろうけれどいまはまだ・・。


 駄菓子屋でイカを食べる喜代美を見つめる草々の眼差しが
優しかった。自分が差し出した食べ物であんなに幸せそうに
なれるひとを見られるというのは、なんてあたたかい気持ちに
なれる幸せなことなんだろう・・とも思えた。「愛しい」とは、
こんなささやかな一瞬なのかもしれない。


 昨日からの草若師匠は何だかいたずら好きなキューピッド
にも見えます。ひとりつぶやく四草くんは無視されるのも
覚悟の上で、草原にいさんからつっこまれるのも嬉しそう。
 不敵に笑う奈津子さんは、「来れるもんならここまで這い
上がってこい!」と仁王立ちする働くオンナの大先輩のよう
にも見えました。このごろちょっと怖くなってきた(笑)
けれどおもろいよね、この人も。