撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

後ろ姿

 久しぶりに長男とふたりで歩いた。買い物の荷物をめずらしく
持ってくれたので後ろからついて歩いてたら彼の後ろ姿に小さい
ときのことを思い出してしまった。ほんの小さな男の子だったのが
つい昨日のことのようだった。小学6年生のころにわたしの身長を
追い抜いたんだっけ。そんなことを考えながらみる彼の背中は
いつも見る彼よりも頼もしい大人に感じられた。


 後ろ姿を見つめるときは、何故か素直に愛しく思える。


 向き合わなければいけないことの多い毎日だけれども、たまには
ただ、愛しい人の姿を影ながら追う遥か昔の少女のように、ゆっくり
相手を見つめるのもいいものなのかな・・などと思ったりして・・。


 本人が言わないことも・・時には背中が語りかけてくれるのかも
しれない・・・。