撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

やってみぃ(ちりとてちん)

 喜代美が大切にもっていたテープ。いいこといっぱいあります
ように・・とおかあちゃんが作ってくれた布袋に入れて・・。
 おじいちゃんが、そのテープを手にいれたときに、草若師匠と
逢っていたとは思いもかけなかった。受け継ぐ・・という心の
繋がること!


 「その道中の陽気なこと!」と語りかける師匠の落語はそのまま
春の日溜まりのようだ。家族の暖かさのような賑やかさと、まるで
おじいちゃんに頭を撫でてもらっているかのような幸せな気持ちを
喜代美に思い起こさせてくれる。「やってみぃ」というさりげない
一言で、喜代美の進む道は開かれる。しかしながらおまけの一言も。
「大変でっせ」師匠がお父ちゃんに贈るひとこと・・。


 成功は終わりではない・失敗は宿命ではない・それを重ね続ける
ことこそが・・勇気である・・・・とか。
 どんなことをやっていてもいろいろなことは起こる。塗り隠して
しまいたいようなこともいつか思い出に変わるのだろう。その時
その時を懸命に生きてさえいれば・・・。


 それにしても今回のおとうちゃんはかっこよかったね。娘に何も
言わずにひとりひっそり帰るとこなんか・・まるでマタギってか(笑)。