撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

寿限無(ちりとてちん)

 喜代美のひとこと。「草原さんのそばにも四草さんの
そばにも、ずっと師匠さんがおんなったとですよ」。
 ひとは時にさりげなくとてつもなく心に沁みる言葉を
ひとに贈る。


 小草若が徒然亭の名前を捨てなかったこと、それだけで
なくなにかあると「寿限無」ばかりはなしていたこと。どち
らも言えなかったけど伝えたかった深い想いだったんだ。
「なにいい話してるんや・・」と、言われながら、彼もまた
今日だけは芸を完璧に演じることよりも自分の想いを貫く
ことのほうにどうしても行ってしまった。一生のうちに何度
かだけは、こんなこともあるのだろうと思う。そのこころに
答えるように・・高座に上がる草若師匠。


 草若の「愛宕山」に、喜代美の家族の記憶が重なる。あの
おじいちゃんの思い出がみんなの心によみがえる。


 来週はそのご縁がまた結ばれていくのだろう・・。私事です
が、来週の土曜日はわたしの父の命日・・。この重なるご縁に
不思議なものを感じています。大事にしようと思う。


 ああ〜もう泣きっぱなしやん!小草若ちゃんと一緒(笑)。