撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

繋がる出逢い

 今日はダンナが夕食が要らないというので次男リクエストで焼鳥屋
このお店は私が独身の頃から、父と行っていたお店。途中途切れることは
あったけど、やっぱり食べたくなるとそこ!で、久しぶりに行くと大将が
笑顔で迎えてくれる。


 遅れて、学校帰りにそのままやって来た長男、店に入ると、先に
来ていた男のひとに会釈している。えっ?誰々?ときくと、今高校で
とある教科を習っている先生とのこと。同じ町内のひとらしい。名前を
きくと、何故か私の記憶に引っ掛かったその名字・・。


 おいしく食事をして、ごちそうさまを言って店をでるとき、ひとこと
先生にも挨拶しておきたいけどな・・と思っていたら、その先生も
自分の席から立ってこちらへ声を掛けてくださった。なんてまあ嬉しい
こと!と気分もほぐれて、失礼ですがもしやお父様も先生をしていらっ
しゃいませんでしたか?と伺うとそうですとの返事。予感通り、私が
中学の時数学を習った先生の息子さん・・という繋がりでした。


 立ち話をしていると、その先生(お父様)、今年1月に亡くなられた
とのこと。急なことで、4月に産まれた孫の顔を見ることができなかった
とのお話。なんとまあ・・嬉しいことと、哀しいことが一度に訪れた
ような、びっくりの話だった。大好きな先生だったんですよ・・と言うと
嬉しそうにしてあった。あとで息子と話すと、あの先生好きやん、それに
なんかよくしてくれるっちゃんとのこと。別に特別の関係があったわけでも
ご縁に気づいていたわけでもないのだけれど、何故か繋がるその関係が
心を暖かくしてくれるような気がした。


 ご縁は、その場で目に見えて繋がるわけではない。しかしながら、
想いがいつか届くように、目に見えない風を吹かせるように、いつしか
一本の糸に紡がれるように、時を越えて、思いがけないところで、しかし
その想いをどこかで受け継いで繋げられていくのだろう・・。


 ただ、想いのままに・・しかし、めざすものに一途に・・倦まず
あきらめず、ひたすらに歩いていこう。歴史に残る人生ではなくても
歴史に残る人でさえ後世に認められるように、このささやかな人生も
いつの日か人知れず花を咲かせ、実を結ぶのかもしれない。