撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

必死になりすぎやて(ちりとてちん)

 冒頭の和田家の家族喧嘩のシーン。いったいこの家に
何が起こったの?喜代美に行ってもろたらええ!という
行き先は・・借金?謝罪?はたまた大きな問題?


 以前から兄弟仲が良かったわけでもないし、みんな揃って
ニコニコ笑顔・・だったわけでもないけれど・・。


 「どっか歯車が狂うた・・ゆうかな」という糸子さん。
当たり前にあると思っている、家族団らんの幸せは案外
危ういバランスの上に成り立っているのかも知れないと
思う。いきなり崩れるわけではないけれど、心地よい場所
であるためには、知らず知らずのうちにみんながバランスを
とっているのだろう。誰かがそれをするのがきつくなると
なんともちぐはぐなぎすぎすしたものになってしまう。


 玉子の話に必死だから面白いんだろね。ほんとにしんどい
話を真剣にしては笑えないのはもちろんのこと、逃げ場が
なくなってしまう。大切な話をするときほど、肩の力を抜いて
すこしばかりいい加減になる用意もいるのかもしれない。


 小草若にいきなりつかみかかる草々・・えっ?喜代美に
手を出すな!って?・・いうわけないわな・・とはいえまさか
「夜に口笛吹くないうてるやろ!」とくるとは思いませんで
した。こういう小さなことに必死なのって面白い。いや?
もしかすると、人が必死になってどうにかなるようなことは、
何気ないちいさなことだけで、大きなことなど、もうそれは
流れるようにしか流れない人の手を離れたところにあるのかも
知れない。


 一番面白かったのは、「小草若につけといてな」とちゃっかり
出ていく草若さんでしたけどね(笑)。