撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

ものがたりになんか

偶然の出逢いも
奇跡の巡り逢いも
優しいふたりの時間も
切ないひとりの時間も
いつか思い出に変わり
なつかしいものがたりになるのだろう


しかしながら・・
開いた傷口も
潤んだ瞳も
そのままに
やわらかい指先も
あつい胸も
いまここに


ものがたりになんかしないで
目の前の
この世界から
手を離さないで
目を逸らさないで


さくらは咲いてこぼれ
雪は降り積もりとける