撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

無意識の一期一会

 生きていくということは、選んでいくということだ。
意識するとしないとに関わらず、ひとは何かをすることを
選び、そのほかのことを捨てていく。または、ほかのものに
折り合いをつけながら、何かに優先順位一位をつけながら
進んでいく。


 することも選ぶこと
 しないことも選ぶこと
 待つことも選ぶこと・・・
 

 昨日ではだめで、明日では遅くて、今日でなければ出来なかった
ことがあるかもしれない。もっと前だったら何のことはなかった
けれど、ここまで来たら相当エネルギーを使ってしまったけれど
それでも、それだから鮮やかに記憶に残すことができたということ
も起こるかもしれない。


 緩やかに円を描くように日常は続いていく。しかしながら同じ
ところを二度と通ることはなく、螺旋をぐるぐる描いているのかも
しれない。手を伸ばして掴めるもの、指の隙間からこぼれ落ちて
いくもの・・。後ろ向きで気づかないもの、狂おしいほどに求め
続けるもの・・。


 織物を織るように・・縦糸と横糸を交わすように一心に過ごす
時もあれば、リリアンを編むように、ささやかに過ごす時も
さまざまな時の中にはあるのかもしれない。
 リリアンがふっくらと輝きを増すように孕む空気・・。日常の
中に、緩やかに囲い込んだ、大切なもの・・。それと気づかない
選択と、決心と、そして計り知れないご縁で、それはつくられて
いくのかもしれない。