撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

邪気のない笑顔(どんど晴れ)

 秋山なる男、加賀美屋へ来る。伸一ったらどうしちゃったのぉ?
何だかあやしい雰囲気のふたりの会話です。絶対伸一ったら罠に
はめられかけてるって!(笑)


 そんな秋山は、夏美の笑顔がなにやら苦手・・。簡単に言って
なんだか調子が狂っちゃう・・ってかんじみたいです。


 ひとを騙すときは、ひとの心の隙間をついたり、ひとの心の中の
引っ掛かりをつり上げたりするんだろうな・・と思う。淋しさだったり
コンプレックスだったり、欲望だったり、憎しみだったり・・。
 そんな心がよく分かるからこそ、そんなことができるのだろう。
自分の話に反応したのは、あなたにそんな気持ちがあったからだ!
と、何か言われたら自信を持って返す用意はしているのだろう。


 そんなこころの引っ掛かりをひとつも持たない夏美はなんとも
調子が狂うのだろう。そんなことを感じながら、何も気づいて
いないふりをしている環以上に、やりにくいのだろうな・・と思う。


 そして、もしかすると、秋山は、夏美の笑顔のようなそんな
なんの邪心も持たず、ただ信じ切って安心しきったような、そんな
こころを自分に向けられることはなかったことなのかもしれない。


 とうの昔に忘れてしまって、もう望むことさえ捨ててしまった
その笑顔にこころを許すこと・・どこかでその記憶が胸を疼かせる
のかもしれない・・・。