撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

女将というおんなたち(どんど晴れ)

 おかあさん・・いえ、大女将・・・とカツノに向かって話し
始める環。夏美さんが若女将になることに何の異存もございません
・・と。そういう環によく言ってくれました、ありがとう・・と
カツノ。


 夏美を若女将にすることを決心した環。もちろん、それは
なんの問題もないのだけれど・・となると我が息子伸一の
立場は?・・しかし、それを振り切って、決まっていることだ
と、夏美の件を押し進める環。


 カツノが自分の息子を許したくても許せなかったあの姿と
息子を手放しで跡継ぎに据えたい思いをひた隠して夏美のことを
認める環の姿がダブって見えた。このふたりは、母である前に
「女将」というものを背負ってしまった女なのだ。その母としての
苦しい心の内が分かるからこそ、決心した環にカツノは「あり
がとう」と言ったに違いない。


 またもや出てきた玉手箱。その意味が分からないことを悩んで
いる環は、素直に分からない・・と言ってでもその意味を知りたい
教えて欲しいと思っている。しかしながら、あなたなら大丈夫、
必ず自分で見つけることができます。私が言えるのはそれだけ・・
と、多くを語らないカツノ。


 信頼だとか愛情だとか、そんな目に見えないものが詰まっている
のかとも思った箱なのだけれど、本当のところ、どんな意味が隠され
ているのだろう?それとも・・何もない箱は、そのまま何もない箱を
意味しているのだろうか?箱を大切に守ること自体に、意味がある
のか、どこかで何も入っていないことをきちんと理解しておけという
意味なのか・・・。目に見えないものほど難しい。そして多分
見えないもののなかに大切なことが隠されているのだろう・・と
何も分からないままに思いを馳せている・・・。