撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

一般大衆というもの(どんど晴れと純情きらり)

 「どんど晴れ」で、どうも気に掛かっていたのが、番頭さんのつかみどころ
のない性格。夏美のこと良いようにいっていたかと思ったら、いきなり冷たく
なったり、かと思ったら、今日なんか、すこしは夏美を見習えば!みたいにも
とれるような、どっちの立場にいるのか分からない発言。そのくせ、ひとには
「いつから味方になったんだい?」なんて、全然筋がとおらない、行き当たり
ばったりに見える性格・・。


 今日、ふと思った。「純情きらり」で戦争が始まるにしたがって変わって
いく世の中で、それこそまた、コロコロと変わっていく女がいたことを!


 薫子ちゃんでしたっけ?お兄さんが出征するときは力一杯戦争反対だった
はずなのに、いつのまにか時局に乗ったお仕事していたし、戦争終わったら
そんなことみんな忘れたように、また新しい世の中でたくましく生きていた
し、みんなが心に傷を負って、悩んでいるなかで、いったいこの女なに〜!
と思ったものでした。


 で、考えたのは、このひとがあらわしているのは、「一般大衆」という
ものではないのかと・・。形があるようなないような、強烈なエネルギーや
影響力はあるものの、どこから出てくるのかも分からなければ、それになん
の責任も取らせられない、なんともあやふやながら無視できないやっかいな
もの。


 番頭さんが、夏美は頑張ってる!と言えば、まあ・・根性あるのは取り柄
と、昨日までなによあのこ!と言ってたひとが、これまたいつのまにか違う
ことを言うという、人間の心の不思議。本当に理由があっていじめている人も
いれば、周りの雰囲気やひまつぶしにいじめているひともいるのだから
何とも・・。


 でも、だから世の中には流行なんてものが起こるのよね。み〜んな自分の
考えを持って人に影響されずに生きていたら、世の中もっと細分化して、
人との接点も話の糸口もなくなってしまうかもしれない。


 言いたかったのは、そんな人が夏美の方を向いてきたら、そんなに遠くない
うちに風が吹いてくることもあるんじゃない?ってこと・・だったかな?(笑)