撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

大切なともだち(どんど晴れ)

 「気にくわないんだよ!」と夏美のことを言い捨てる板長。
組織の上と、板場の絶対者は、全く感覚が違うんだ・・と
あらためて驚いた。こんな人に気に入られなかったら、女同士
のいじめなんかよりもっと怖ろしいことが待ちかまえていそうだ。
 ただ、仲居が気持ちが納まらない・・と夏美につらくあたりそう
なのにくらべれば、「気に入らない」が「気に入った」に変わる
時がくればころりとまた変わるのだろうか?変わると言えば
相変わらずころころ変わる番頭さん・・読めるようになった(笑)。


 その場面、観ていて一番可愛そうだったのはこうじくんでしょう
ね。大好きな彩華ちゃんと夏美と、どこでどうこの事件をおさめて
二度とみんなが触れないようになってくれるか・・。本人は必死で
彩華を守ってやろうとしているんだろうけれど、はたからは、どう
みても彩華のほうが大物にみえたぞ(笑)。悪だくみをするには
相当の根性が必要だ。悪だくみでなくても、人に言えない秘密を
自分の中に隠し持つには、いい知れない力が要る。「いいひと」で
多分、隠し事なんかしたことのないこうじくん、こんな経験もあとに
なれば、成長に必要だったと思えるのかな?


 「なじょした?」と聡に声を掛ける平治さん。そんなにいうなら
当たって砕けろ・・と。こちらの聡は、秘密は持ってるつもりだ
けれど、バレバレだし、自分だけで耐えてるつもりだけど、意外と
自分の中で自分の都合のいいように想像してるして期待してるし、
そういう人には自分を全部さらけだし、自分としては・・ではなく、
他人がどう自分のことを考えてくれているのか、事実はどうなのか
を、きちんと見つめ、自分がそれをきちんと認めることが必要かも
しれない。思惑や予想ではなく、事実、今の現実と向き合うことも
意外ときついことがある。耐えているのではなく目を逸らしてしる
だけ・・のこともあるのだから。


 なにがあっても大切にしたいともだち・・と、仲直りしてお互いの
存在を確かめ合った夏美と佳奈。佳奈が、勝手にいじけて逆恨みして
いたのは事実。でも、それを自分で認めて夏美の前で、話せたのは
えらいと思う。聡を思っていながら聡に思われてない自分を、聡に
思われている夏美の前で客観的に言えるって簡単そうでなかなか・・。
 自分を嫌いになりたくないからこそ、自分のなかにそんな自分が
いることをバカだね・・って言いながら認めている。恋をすると、とも
すれば自分でも制御できない自分があらわれたりするけれど、それでも
もともとの自分もしっかり持っていたい。なにがあっても大切にしたい
・・というのは、自分が人間として生きていく上で見失いたくない
大切なもの・・なのかもしれない。