撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

オレがついててやるから(どんど晴れ)

 夏美の弟ともやくんのちょっと照れながらいうこのセリフ
しびれちゃったよな。


 夏美のまわりのひとたちは、それぞれの立場でそれぞれに夏美を
気遣っている。ともやにしても、柾樹にしても、母にしても、そして
あのなんともきつい言葉を浴びせている父ですら・・。


 夏美にしてみれば、いったいどんな気持でそれを聞いているの
だろう・・。


 ともやもまた自分の悩みを抱えている。父にそのことについて
きびしい言い方をされる。父の立場としてはその発言も意味があるの
だろうけれど、正しいことを言ってはいるのだろうけど、でも心が
弱っているひとにとってはとても痛い言葉。真実をつかれることが
なによりも残酷だったりすることもある。それに立ち向かうことに
よって力をつけて欲しいのだろうけど・・。


 自分も痛みを持つともやだからこそ、ひとにも優しく寄り添うことが
できるのかもしれない。人に向かって言う言葉は、そのまま自分が
ひとからかけて欲しいと思っている言葉なのかもしれない。