撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

愚直なまでに・・(さくら)

 れおなるどでひとがあつまる。教頭先生をだまそうとしている男たち。
さくら、桂木、その他いろいろ・・。


 教頭は、怪しい男を自分の教え子だと紹介する。さくらたちがいろいろ
いってもこれは、わたしと彼の話だから・・と何もきかない。


 だまされているのに・・とはらはらするさくらたち。


 ここまでみてそうか、そうつながるのか・・とはっとした。


 教頭は気づいている。自分に持ちかけられた話が充分すぎるほど怪しい
ことに。それでも信じているのは、お金が戻ってくることではない。
教え子がいつか気づいてくれることだ。


 自分のことをただ信じていてくれた人がいたことに。人を信じて生きて
いくという関係がどんなに大切なことかということに。


 生きていくうえではいろんなことがある。目先のことにかかずらって
道をあやまることもあるかもしれない。それでも、そのままでもう
どうにでもなってしまえ・・と流れていくか、どこかで自分の本当に
目指すものを見つめて生きていくことを思い出せるか・・。それは
自分の問題ではあるけれど・・。それでも人間は弱くて淋しいものだから
そして、人と関わらなければ生きていけない生き物だから、自分を信じて
くれる人がいるということはどんなに心強いことだろう。そしてまた、
自分が自分の意志で誰かを信じる・・ということはどんなに誇らしく
幸せなことだろう!


 信じることを伝えるために、愚直なまでに信じる人がいる・・。