撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

それが日本の男なのよ(さくら)

 見終わってなんだか暖かい気持になった。不器用な日本のおとこたち。
愛すべき可愛いおとこたち。


 話して分かり合えること。言わなくて感じること。言わないからこそ
分かってほしいと思ってしまうこと。ぶつかって痛みを感じたからこそ
あとでじんわりと分かること。分からなくても感じることで伝わること。


 大介の英語を聞きながら、なぜか涙が溢れるのをとめられないおじい
ちゃんをみて、胸が熱くなるのを感じた。大介がスピーチコンテストで
一度詰まり、そして続け始めたときに、桂木先生が一緒に呼吸がもどった
ように安堵の色を浮かべた、その白い横顔が愛おしかった。


 言葉は心を載せる大切なものだけれど、ある時は心そのもののかたちを
しているわけではなく、こころを伝えるための道具としてその色や形を
変える。言わずに伝える言葉。心と裏腹な、冷たさや激しさで伝えることも
ある。そのままでいられない言葉と心の痛みを隠しながら・・・。


 伝わらなければ意味がないじゃないですか!というロビーにそれが日本の
男の限界かもねえ・・とつぶやく桂木先生。いくら男たちが自分たちの分析が
出来ているとしても、それを受け取って欲しい相手がそのやり方を理解して
受けとめてくれなければ関係は始まりませんものね。


 相変わらず意地っ張りな沢田先生が、ほんのちょっぴりこころを見せて
いるのがとても可愛い。端からみたら大して変わってない先生の横に、笑顔の
さくらがいるだけで、どうしてこうも印象が変わるのだろう・・。日本の
愛は情だとか・・。知り合って、分かり合って、親しくなって、そうやって
生まれる愛というものはあると思う。広く、深く、穏やかな、暖かいもの・・。