撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

賭けてみる(どんど晴れ)

 「姉ちゃん、マジで怒っちゃってる・・」と弟くんがいうほど
ブチ切れてしまった夏美。大女将を前に言いたいこと言っちゃった
お母さんもある意味ブチ切れてました?(笑)


 大女将が夏美の父に座敷童の話をする、笑われるかもしれません
けど・・と言いながら。柾樹に旅館をついでくれ、といったのも
もとをたどれば夏美を見てからだと。大女将が自分の気持ちを素直に
打ち明ける。これは自分の賭けだと。大女将として、そして自分の
残りの人生を賭けた「賭け」なのだと。そういう大女将の瞳には
真剣さはあっても悲壮感はなく、純粋に楽しんでいる心持ちも感じ
られるような気がした。


 一方、話の終わりで夏美に話しかけた女将はいったい何を言おうと
しているのだろうか?このドラマの中で一番謎に満ちているのがこの
宮本信子演ずる女将・・だと思う。女将の風格も持ちながら、大女将の
前に出た時の気の遣い方、家族の前で見せる顔も、仲居頭とのやりとり
の時の顔も、どれも微妙に違う。息子に継がせたいのやら、もっと
一番相応しい人に継がせたいと思っているのやら。この夏美が女将に
なるという賭けを一番客観的に見て賭けを楽しんでいるのはこの人では
ないかと思うくらい。


 誰にもまるのままには心を許せない、だれかにすっかり甘えてしまう
ことは決してできない女将という存在の淋しさもすこし感じてしまう。
 大女将がもうそんな自分の立場をそろそろ抜けて、自分の思うとおりの
賭けを、自分がこれと見込んだ人に心を開きながら楽しめるのに対して
女将の賭けは、今から信頼できる人を見つけていくことかもしれない。
 自分ひとりで孤独に耐えるか、人と心を交わしていくか、というのも
ひとつの賭け。夏美に対する女将の言葉は、いつも、その突き放した心と
信頼する心、どちらに転んでも私は悔いはないわ・・とでも言いたげな
暖かさとドライさがひそんでいるように見える。


 大女将の言葉。いい人なだけでなく、我が儘勝手なところがあるから
人は成長できるんでしょう・・う〜ん・・深い・・そう思いたい。


 あき竹城演ずる仲居頭、意地悪というよりはオモロイおばさん。坊ちゃん
の悪企みにのっちゃうのも、意地悪だからというより、可愛い男の子の
いうことには逆らえない・・という感じ。韓流スターのときもはまってた
もんね。なんとなく、柾樹が帰って来さえすれば、この人は何もこわくない
ような気がするんですよねえ・・・(笑)。