撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

恋するように・・(芋たこなんきん)

 空を見たら・・・いつも空は見上げるひとのこころを映す。
寄り添うように、励ますように、時には突き放すように追い打ちを
かけるように・・・。


 寂しいときに始まる恋はあまりいい恋ではないかもしれない。
忙しくてたまらないときも・・。自分が本当に欲しいものが見えなく
なっているときがあるから。


 この間、徳永家に来たキヨシがなにか言いにくそうにしていたのは
このことだったのか、と今日気づく。いちばん真面目そうに見えた
キヨシくんにさすらいの男の気質が受け継がれているとは笑えますね。


 「涙でてきた・・」というキヨシに、笑い出して「恋の話を聞いてる
みたいなんやもん」という町子。きいている心の中にも青空が広がる。
悲しくもないのに涙がでてくるのは、やっぱりある種の恋だろう。
そして、それは優しく大きな恋だろう。吉野弘の「祝婚歌」で「ふと
胸が熱くなる」という一節があったことを思いだした。


 出会いは当たり前にあるのではない。人生も当たり前に用意されて
いるものなどない。運命というものがあったとしても、流れというものが
あったとしても、それを掴むのは自分自身だ。時には空を見上げるように
時には恋をするように、純粋に人生を歩いていきたい。