撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

電話で...

 久しぶりにおばから電話があった。3時間ノンストップでおしゃべりを
聞かされた。このごろ体調が良くなくて...って、私よりたぶんタフだと
思う...。


 少し前までは、親のいない私に、子供の心配話(半分自慢)を聞かせ
やがって...と、正直言うとちょっとばかし苦しかった。こんなに
優しいひとが、なんで私の淋しさに気づいてくれないんだろう...と
どこか切なかった。でも、今日は素直におばの気持ちになっておばの話を
聞ける自分に気づいた。素直に「もう!うらやましいねえ、そんなに
思ってもらって!」って言えた。


 いつの間にか、わたしはとっくに大人になっていたんだ。おばからは
可愛い姪であるだけでなく、大事な姉さんの跡継ぎと認めてくれていた
んだろう。素直にそう思うことの出来る自分こそがずいぶん変わったな
あ..と不思議だった。


 素のままの自分でいられる場所があるのはありがたい。なりたい自分を
認めてくれる人がいるのもありがたい。もちろん、そのあいだで、それだけの
自分ではいられないことも知っていて、毎日じたばたしているのだけれど..。


 それでも、そんなことに気づいているのかいないのか、ただ私のことを
思い出して、自分のことを話してくれるひとというのもまた、有り難い。
「頼りにしているよ」と思わせてくれるひとは、「あんたはいい子だね」と
言ってくれる人と同じかもしれない。ただ一緒におばと電話で笑いながら
暖かい気持ちになれることを感謝していた。