撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

ひとりの人間として(芋たこなんきん)

 歌を歌う。詩を書く。小説を書く。写真を撮る。話をする。
・・やり方、表し方は違っても、人は何かを表現しようとし、
何らかの形で人と関わりたいと思っている。


 泣くこと、怒ること、いじわるすること、ひとりで閉じこもること
ですら、誰かに何かを発信している気がする。すくすくと育つ・・と
いうのは、健やかな成長期の順調な発達のこと・・それは、当たり前の
幸せの中のなめらかな毎日のようだ。そのなかですら、様々な葛藤や
悩みがあるというのに、それ以上に、心を痛めることや、気持ちや
事情に引っ掛かることがあれば、何か困難なことが起きることだろう。
しかし、それも乗り越える価値のあるものに違いない。大きく、変化し
成長するために必要なことなのかもしれない。


 誰もが、一人の人間だ。そのことを尊重してくれるのは、ある時は
何のしがらみもない、赤の他人の方だったりすることもあるのだろう。
 親子にしろ、 友人にしろ、何か上手くいかないときには、自分から
見た相手・・として考えていないかどうか見つめ直して見る必要がある。
相手を尊重する・・もしくは、全く関係ないひとりの人だったとしたら
自分はそのひとにどんな感情を抱くのか考えてみる・・。


 ちはるの父が、「親が恥ずかしいんだ」と言ったが、それは、親と
して自分が責任を果たしていない・・という彼女への思いやりなのか
それとも、親として自分がどう人から見られるかこだわっているだけ
なのか・・。人を想う心は、まっすぐであれば、間違っていなければ
いつか必ず届くはずではないか・・と思っている。