撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

揺るがへん自分(芋たこなんきん)

 ゆりこ迷走中・・・。


 町子の友人、カンジが遊びに来ていた。カンジがゆりこに言った
言葉は印象的だった。「集団の力も大切だけれど、結局は一人一人の
想いやないやろか。揺るがへん自分をつくるのが先と違うかなあ・・」


 その昔、沖倉利津子というひとの作品で中学生の女の子が主役の
「日曜日は元気」から始まるシリーズがあったんだけど、その主人公
セッチが、喧嘩を始めるときに、まわりで相手の悪口を言おうとする
みんなに「集団でしか大声出せないような外野はだまってて!」と
言ってから一騎打ちのけんかをするという場面が大好きだった。


 正しいことをするのは悪くない。しかしながら、正しいことだからと
いって、何をしてもいいわけでは決してない。どんないいことでも、
思いやりのないことや、行き過ぎたことは、暴力と等しいことになる
恐れがあることを忘れてはいけないと思う。そして、集団の勢いだとか
周りの雰囲気だとかで、思いもかけないところへ連れられていったり
普段しないことをしたり・・ということもあるものだ。それをまた
「みんなやっているんだから」で済ませてしまうのはどうだろうか?
 同じ事を考えていたひと、考えている人とだって、違う道を選ぶこと、
違うやり方をすることがあるのだから・・。


 揺るがへん自分をつくること・・それは、簡単なことではないと思う
けれど、牧師さんがゆりこに言った、「無理や背伸びはあかんよ」と
いう言葉ともつながるなあ・・とも思う。誰になんといわれようとも
逆に誰にも何もいってもらえなくても、ただ胸の中から熱く湧き出る
自然な想い・・。自分の想いを見つめるためには、一人の時間も
ひとと過ごす時間もどちらも大切なんだろうなあ・・と思う。