撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

別れ(芋たこなんきん)

 今日は、晴子がずっと気にかかっていた。おかあさんひとり
そんな奄美になんてやられん・・と心配しながら、母親が自分を
残して遠いところへいってしまうのがどうしても受け入れられない
娘・・の表情が伺えた。彼女にとって、奄美は遠い場所だろう・・。
自分の思い出が重ならない、遠い場所だろうと思う。どんなに
大きくなっても、立派な社会人になっても、親は自分の親だと
思っている。自分がもう要らない、というまでずっといてくれると
どこかで思っている。母の奄美に寄せる気持ちを思いながらも、
どこか置いて行かれる子供の淋しさを彼女の姿に感じた。


 「女は、男とはまるっきり違う」このお父さんの言葉は、何だか
いつまでも残りそうだ。女と男が、たとえば夫婦や親しい男女が
別れるときは、この、当たり前でありながら、ともすれば忘れて
しまいそうな真実を、忘れてしまったときではないかと思う。


 いや、すべての人間が、そうなのかもしれない。同じ人間で
あること。しかし、違う人間であること。その両方を忘れては
いけないのだ・・・そんなことを考えさせられた。