撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

エメラルドの原石(芋たこなんきん)

 ひとつの石を前に、いろんなことを考えてしまう。


 宝石の原石って、それを掘り出す(見つける)のが好きなひとと
それを磨くのが好きな人がいるかもしれない・・。まあ、その後に
売り買いしたり、楽しんだりする人の方が多いのだけど・・。


 石も、それを扱う人によってあつかわれかたが変わる。そのもの
自身は、なにひとつ変わることがなくても・・。


 昭一さんの、本当のところは分からない。健次郎さんが、「金のことを
いうてるのやない。親が居てる間に安心させてやれ・・って言う話や」と
いうのもよく分かる。束の間、心を解放して、ありのままの昭一さんに
向き合えば、とてもいい人だということもよく分かる。


 昭一さんは、原石のような人だ。もしくは、石を磨くことより、見つける
ことのほうが好きな、子供のような人だ。通り過ぎていく存在ならば、ただ
珍しがったり、面白がったりすればいいけれど、本当に関わりを持とうと
思ったときには、どうすればいいのだろうか?信じること・・しかし、
信じるだけではまだ足りないような気がする・・・。