撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

ラグビーは・・・

 うちの次男が急にラグビートップリーグの試合を観に行きたい
と言いだしたので、クラブチームの先輩、近所に住む中学生の
お兄ちゃんに一緒に連れていってもらうように頼んだ。その二人を
車に乗せて目的地に向かう道すがら、後部座席で二人が話している。
「センターになったと?面白い?」「うん」「何が得意?好き?」
「う〜ん?」「今は好きなこと一生懸命しよったらいいけんね、
中学になったら苦手なこともがんばらんといかんけど・・」


 同じポジションの先輩・後輩、一緒に練習するには年が離れて
いるけど、同じクラブチームの先輩・後輩。子供とはいえ、いっぱしの
きちんとした関係が出来ていて、微笑ましく、うれしく思いながら
聞いていた。


 ラグビーは、少年をいちはやく大人にし
 大人にいつまでも少年の心を持たせ続ける


とかいうような意味の言葉があったなあ・・と思いつつ・・・。


 疾風怒濤のような夏の試合を経て、3年生は引退し、新しいチーム
編成に移った中学生。まもなく新チームでの新人戦が始まる。
 喜びとくやしさと満足と苦悩と、勝っても負けても、大変な
思いをしながら夏を過ごしたであろう中学生のラガーマンたち。大人が
その子供たちに大切な思い出をもらいながらも、一方でついていけない
ほど揺さぶられているうちに、子供たちはとっくに高みへとのぼる
ように成長していってしまったようですね・・・と親同士で笑った。


 子供達に大きな宝物をもらった。考えさせてもらう機会。一緒に
悩む仲間。違いを認めつつ歩み寄る関係。基本に立ち返る重要性。
感謝の気持ちを忘れずにいること・・・。


 もう、懐かしいと思えるほどに、日々は忙しく巡り移っていくけれど
あの夏を忘れまいと思う。昨日より明日を一層輝かせるために、決して
忘れないでおこうと思っている。