撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

鏡のように(純情きらり)

 ひとは、自分が想像するようにしか考えられない。自分の考え方でしか
世界を見ることが出来ない。現実の世界や、目の前の事柄は、ひとつしか
ないのに、みるひとの数だけ世界が映り、語る人の数だけ、違う物語に
なる。


 桜子が見た冬吾の絵もそうだ。
 純情きらりの物語にしてもそうだ。


 昨日同じことかんがえてる・・って読んだ人の文章が、今日は???
になったとしてもそれはそれで仕方がないっていうより、当たり前に
起こりうること。ほんとに、ひとりひとり、違うこと考えてるんだなあ
って気づかされる。家族でも、違うし、すごく尊敬してるような人でも
ふと違うことがあるし、かえって、安心するくらいです。すれ違いは
ある、問題はそこじゃないんだ・・って。


 人の心のすべてが自分の思い通りにならなくても、それは仕方の無い
ことでしょう。問題は、自分はそのことの何が気に入らないのか、何に
こだわりたいのか・・・。自分を見つめて、自分を大切にしてやると、
余分な肩の力が抜けていくような気がします。違うひとがいるからこそ
自分が見えてくる・・。


 人が守れる命はそう多くない・・と鈴村さんが言ったのが印象に残って
います。また、人が自分のものとして持つことの出来る物もそう多くない
と思います。本当に大切な物を守るためには、要るものと要らないものが
ある。選ぶことは、難しいかもしれないけれど・・・。