撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

心の重なり(純情きらり)

 今日の笛子を見て、この人って考え方が桜子や冬吾とは、根本的に
違うんだろうなあ・・って思ってしまった。一元的っていうか、現実
の世界ってか、堅気のひとってか、一本気っていうか・・・。


 冬吾、命!ってなくらい、誰かを好きになったら、その人しか
みえないんだろうな。だから、冬吾が絵を描くっていったら、やっぱり
描かせることしか頭にないし、桜子が新しい幸せを掴むには、達彦を
忘れなくっちゃいけないと思ってるし・・・。自分が想像出来ることに
関しちゃ、頼りになって優しい人だけど、想像出来ないことに関しては
爪の先ほども考えられなくて、時々とても無神経で残酷になる。「女の
幸せは結婚だわよね」とか、「子供は多い方がいいわよ〜」なんていう、
そこら辺のおばさんみたいだ。


 桜子と冬吾の関係があれこれと取りざたされてるようですが、今日の
笛子を見て、わかったよ。この二人は出会ったからには関わってしまう
のさ。だって、同じこころのかけらを持っているから・・。それは不倫
とかいうものとは違うと思うけど・・。配偶者以外の異性と心を通わせ
ちゃいけない、っていうのは、どんなもんかなあ?もちろん、通わせ方と
節度っていうのは大切な問題だと思いますが・・。冬吾は笛子とは分かち
あえない考え方を桜子と話しているんだろうね。もちろん、笛子がそれを
理解できればそれに越したことはないけれど、今日の笛子をみて、これは
出来ない、それは良い悪いじゃなくて仕方のないことだ、だから桜子と
冬吾が話すのは必然なんだ・・と思ってしまった・・・。


 こころにはひだがある。おもてに出ているところと見えないところが
必ず誰のこころにもある。でも、どんな重なり方をしているか、どんな
部分が隠れているかは、わからない。自分にだってわからないときすら
あるくらいだ。ひとのこころに触れるときは細心の注意が必要だ。いくら
親しい間柄だとはいえ、大掃除するみたいに、無理矢理ひだの奥まで
ずかずかと押し入るのはデリカシーがないってもんでしょう。自分の
考え方を押しつけるのは、ある意味暴力に近いことも起こりうるんだなあ
って思いました。


 笛子さんにだって、心のひだはあるはずですよ。桜子が代用教員に
なるって言ったときに、何か感じなかった?少なくとも、あの最後の
授業を思い出したよね。また、その一本気な性格ゆえに、この時代に
教師を続けることが出来なかったんだよな・・・。