撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

勇ちゃんの千人針(純情きらり)

 勇太郎は物理の研究をしているらしい。あまりに勇ましい決心で出征
しようとする勇太郎に、笛子に頼まれた冬吾がひとこと。自分のやってること
も、勇太郎がやっていることも同じだ。ひとからみるとよくわからないけど、
長いことやってからやっと何をやってきたかがわかる。そのためには、長生き
したほうがいいんじゃないか・・と。


 冬吾を嫌ってた勇太郎ですが、なんか感じるところがあったみたいだなあ。
同じなんて、大胆にも言ってしまう冬吾さんて、すごい!と思った。大きな目
で見たら、確かにそう。みんなどこかに共通項を持っている・・・。


 いよいよ明日出発の日、勇太郎が桜子に本音を漏らす。もう少し、研究して
いたかった、何か残したかった、と。そう思いながら戦地に旅立った人は大勢
いたことだろう。自分の学問。芸術に携わる人。我が子の成長を見守りた
かった父。そして、愛する人を残してきたひと・・・。


 自分のやりたい仕事をすること。自分のやりたい学問や芸術を究めること。
自分の言いたいことを言えること。好きな人と一緒にいられること。


 当たり前のことが幸せなことに気づく。好きなこと、やりたいことのための
苦労は不幸ではない。


 桜子が「これは勇ちゃんの千人針だから・・」と渡した書き物は、二重に
勇太郎を守ってくれるだろう。桜子の想いと、そして、勇太郎の、「もう一度
研究を続けたい」という強い想いとで・・・。



 もっと描き続けていたい・・と想っていた人たちの絵です・・

 

無言館 (アートルピナス)

無言館 (アートルピナス)


5/23 *[旅][ひと・こと]祈りの絵 無言館のこと その2  良かったら覗いて下さい。