撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

天からの授かりもの(純情きらり)

 八重さんのお腹にあたらしい命が・・・。守田さんは、何も知らずに
戦地へ、頼れる親戚もなく、こんな中でどうなるのか迷う八重。


 だれも、無責任なことは言えない。ただ見守るだけ。このところ、
大人びてちょっとばかし生意気にも見える勇太郎も、八重さんの
ことは、何故か一緒になって心配してる。でもって、ここでは、
思いっきり子供扱いされてるとこあたり・・・。


 杏子の言葉から察すると、一度はあきらめようとしたのか?そうだと
したら、空気の読めないやすじの登場は、それは大きな意味があったかも。
 病院をとびだしての帰り道、子供たちと一緒の冬吾の姿をみる。冬吾さん、
いい顔してたわね。笛子に、桜子が言ったように、「いいんだよ、そのままで
いいんだよ・・」っていってくれてるような、おだやかな、なつかしい風景
だった。


 笛子たちに囲まれながら、出産を決意する八重。いや、決意というよりは、
そのまま受け入れていいんだ・・と自分の気持ちを受け入れ認めてやった
のだろうと思う。愛する人の命を自らの中で育む。彼女の眉間のしわは
もう、消えていた。大変な時代に、苦しい立場での、出産。しかしながら、
まわりのだれもが、自分のことのように喜び、出来るだけのことをしようと
支えてくれる。それは、とてもしあわせな風景に見えた。