撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

ぜいたく品(純情きらり)

 山長、存続の危機。統制価格によって、味噌を創ること自体危うくなる。
八丁味噌は、贅沢品といわれる。


 キヨシに召集令状が届く。残された時間は10日。自分に出来ることは
ないか?旅立つ前に、なにか・・・焦り、思い詰めるキヨシが、見ていて
切なく、痛々しい。


 味噌を愛し、味噌造りに誇りを持つ、職人仙吉。まがいものの味噌を
創るくらいなら、死んだほうがましだ、と言う。


 女将さんがいかないんならあたしがいきます!とかねさんの背中を押す
桜子。店のみんなはどうなるの?とおじいちゃんに訴える桜子。まだまだ
青いけれど、自分の発言で人がどう思いどう動くかすこしばかり考えるように
なってきたね、桜子ちゃん。笛子の背中を押して、自信をつけたかな?
・・でも、うまくいくことほど気をつけなさいね、心配だよやっぱり。


 贅沢品って何なんだろう?人の手と、時間をかけて、創り上げた山長の
味噌。八丁味噌の中でも、老舗で、その手間暇と、品質故に価格設定も
高めなわけね。「統制価格のおかげで、ここの味噌も安く買えるわ〜」と
いってたおばさんが出てきましたよね。昔っからこんなひといたんだ・・
と、すごく印象的だった。立場が違うとそんなもんよね。


 無駄なものと、贅沢品とは、違うと思う。贅沢品のなかには、一部の人
にしか縁がなかったり、たまには無駄なものも混ざってるかも知れないけど、
人の手と時間をかけて作られるものは、その品物だけででなく、文化や
技術というものも伝承していると思う。庶民的なものも高級品も、それぞれの
役割があるのに、同じ価格をつけるなんて、なんて乱暴なこと!


 戦争って、非常時って、そういう違いを認める余裕のなくなることなの
かな?ひとつひとつのよさ、とか、一人一人の立場、とか、その人ごとの
感じる幸せ、とか。


 男は兵隊一人分。子を産む女一人分。働く人間一人分。ひとが人の顔を
しなくなり、よその国のひとが、人間に見えなくなる・・・そんな悲しく
恐ろしい時代は二度と来ないでくれ!と人間として叫びたい。地球にすむ
生き物の代表として・・・。