撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

冬吾の瞳に映るもの(純情きらり)

 「笛子の授業を見たことがある」という冬吾。好きでなった教師を
やめさせるわけにはいけない、と。冬吾は、笛子のことを見ているんだな
と思った。いつの間に笛子のことを好きになったの?と少し気になっては
いたのだけれど、ドラマの中に描かれてはいなかったけど、冬吾はふらふら
とスケッチがてらうろついてる間も、笛子のことを見かけたり見に行ったり
惹かれていたんだなあ・・・と今日ようやくわかった。


 こっそり居なくなろうとした冬吾さん。桜子ちゃんに見つかります。
いつも、どこかうつろに見える、冬吾さんの瞳。私から見ると、どこか
信用できない男の目にみえて仕方がなかったのですが「ずるい」といわれた
冬吾さんが、それでも残るべきか悩んでいる顔は、切なくてとても素敵
でした。初めて魅力的に見えました。加えていえば、この顔を見て、ああ
彼は、逃げようとしたずるい人間ではなく、自分が何もできないことを
わかりすぎるほど分かっていて、身を引こうとした人なんだ、と思った。
 笛子に愛されていることも、笛子が自分を頼りにしていることも分から
ないわけではないけれど、男として彼女を養える貯えがあるわけでもないし、
絶対的に守れる力もないし、捨て身になるには捨てられない絵があるし、
「心のささえ」なんて、自分で評価するほどの厚かましい男でもない。


 でもね、選択肢を減らすことで相手が楽になるときは、身を引くのも
相手のためかもしれないけど、相手がそれだけしか考えてない時に
身を引くのは、それは裏切りだと思うよ。笛子も悩むだろうけど、冬吾に
とってもこれまでの生き方ではやっていけない時がやってきたのだと
思う。優しさゆえにどこか目を伏せて、本当の心の動きを瞳に映すことを
ためらっている冬吾さんの目がどう変わっていくか当分注目したいと
思ってます。