撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

ずっと好きやった(カーネーション)

「泣きぃ・・」


そう言われてテレビの前で泣いてどうする
奈津と同じタイミングで声上げて鼻水まで出そうに泣いてどうする!


すみません
朝から自分に突っ込み入れてました



この場所は
奈津にとって小さい頃から心弾む場所
髪を結いあげてもらったあとにも
大好きなあのひとに一目でも会いたいと
でもそんなことおくびにも出さず
なんとはなしに時間をつぶしている風を装って
待ち焦がれていた場所
ただ一瞬のその幸せのために待つ
その時間もまた幸せではあったのだと思い返す


そうだね
女にとって好きな男の胸で泣くのもいいけれど
もっともっと本当に泣きたいときは
小さな子どもになって泣きじゃくるんだよね
安心できる場所で・・・


長男のだんじりの晴れ姿で失神するほどの髪結いのおかあさん
それはまた
こんなに細やかなこころをもった
おんなの人・・・(母であり、女の子であり、女である・・)だったんだね