撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

そこにいないという存在感

まどみちおさんの詩で
そこに誰かがいるということは他にはだれもそこにははいれないという
それがそのままの存在で守られているというようなことがあるけれど・・


今まで当たり前にそこにいるものがいなくなったときの
そこにいないということのなんという存在感!


我が家の愛犬も夏になれば一周忌を迎える
いまでもときおり
彼がいた場所をふと振り向いたとき
ああ・・もういないんだ・・とどうしようもない感情にしばしとらわれる
静かな眼差し
平和な背中
少しだけ埃っぽいしかしながら幸せな空気
そこにあったものがすこしずつ薄れていくような気がして
たまらなく哀しくなる


ずっと持ち続けるには重すぎて
かといって失くしてしまうことには耐えられなくて
ときおり思い出しては彼に「ごめんね」ってつぶやいてみたりする


願わくば
涙はいつか溢れる泉になりますように
そして
疼く痛みの熱は優しい日だまりのあたたかさに変わりますように
淡く
しかし
ずっと
こころにこのやさしい哀しみを支え持つ力をください