撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

四十九日のレシピ

家族ってなんだろう
当たり前とか、普通とか、その中にいるからそう思ってただけで
イモちゃんの「ゆりっぺはわかってない」という言葉がさりげなく気になった
知っているから分かってないことだってあるんだと思った
たとえば母親に愛されること
父親に心配されること
家でご飯を食べること
「あの子ちゃんとした大人になれるかな」
イモちゃんのさりげなくつぶやく言葉がわたしの知らない怖さを感じさせた



「大切なひとは一緒にいる間に大切にしなきゃいけないんだ」
そして往々にしてあるのは
なくしてから初めて知るこの大切さ・・・



ひとは話さなければ分かり合えない
しかしながらきちんと相手がなにを言っているのか分かろうとして話し合わなければ
どんなに言葉を尽くしているつもりでもなにも伝わらなかったりもするのだろう
そしてともすれば
「相手のため」と思っていることが
「相手にどう思われるか」という「自分のため」だけだったりすることも・・・
どこまでいっても本当にわかるのは自分のことだけなのかもしれない
そして自分のことも本当にわかるのはほんの少しなのかもしれない


「悪くなんかない」
自分のことを悔やむ娘にそう言葉をかける父親がとても優しく見えた
そういってくれるひとがいるだけでまた明日も歩いていける気がする