撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

もうすぐ九月

夏の名残り
暮れなずむ空
まだ肌にまとわりつく暑さ
それでも
ぷいと横向く女のような
不意に涼しい風


あんなに
夏に焦がれていたのに
今は秋を待ち設けている
季節が人と違うのは
必ずまた来ると言えること
ただ
ひとだけが
二度と同じ時を過ごせないだけ


新しい季節を恋うることができるうちは
きっと新しい時に気付くことができるだろう