撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

愛されてこそ

この間は息も絶え絶えだった我が家の愛犬
ここ数日元気を取り戻して庭の中を自由気ままに歩いている
時折縁側を覗きこみ私たちの視線を受けとめようとしている
そんな彼の瞳がなんとも言えなくてつい仕事の手を止めてしばし彼を撫でる
確実に変わっている彼の表情
鎖に繋がれて階段を上り下りして決まった時間に散歩に行っていた時とは・・・
もういまさら何もしてはいないけれど
きっと彼のからだのなかには何かの病気が巣くっている
時折からだの痛みで小さな悲鳴のような鳴き声を漏らしている
しかしながら彼は澄んだ瞳でただ私たちを求める
「意外と長生きするっちゃない?」と笑って言った長男が
その長生きもそうそう長いものではないことも感じてちょっと口ごもる
それでも・・・
彼は幸せそうな笑顔を私たちに向けてくれる
彼がやってきたすぐにみんなが彼を見ていた時期と同じ笑顔で・・・
何ができるわけではないけれど
ただ愛してると伝えよう
いい子いい子と撫でてやってそのまなざしに精一杯の笑顔で応えよう
ひとは愛なしでは生きていけない
ときにはひとではないものにその愛を教えてもらいながら・・・