撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

晴れ男の運

生まれた日も晴天で、行事ごとが雨にたたられた記憶がない長男
そんな長男の今日は卒業式
昨日は雨に決まってると思ってたのに晴れ
きっとあなたが新調したスーツを初めて着たからよと笑ったら
なら今日の雨は仕方ないかも・・と覚悟して自転車で出て行った長男


あなたはきっとおじいちゃん、おばあちゃんに守られている
生まれて一週間目
病院から我が家に帰ってきて御仏壇に報告したときに
笑うはずのない生後一週間の彼がほほ笑んだような気がした
きっと私の母と会話したのだわと信じてる私
私の父が亡くなる直前
息の薄くなったそのときに彼をそばに呼び寄せて父にその名前を告げると
いまひとたび、父の呼吸が蘇った
義父のお見舞いに子供たちを連れて行った時
ぼんやりと宙をながめていた義父が
子供たちの顔をみると元気だったころの表情をしておしゃべりしてくれた
耳の遠くなってきた義母(勝手に選択吸収性難聴と呼んでいる)も
彼とのやりとりだけはなぜかきれいに聞こえるようだ(笑)


やりたい放題をしながら
やりたくないことはなにひとつせずに
ここまでなんとか人とのご縁やご恩に守られてきた彼
高校卒業はひとつの区切りになるかもしれない


「なら今日は降られても仕方ないね」
と、笑顔で出て行った彼はようやく自分の足で歩き始めたのかもしれない
卒業式が済んだらお世話になった先生の所へ挨拶に行こうと
今まで言ったこともないことを昨日つぶやいた彼を
まだまだなにも出来てはいないけれど
大切なことだけはどこかに持っていてくれていると信じて
これからも見守っていきたいと思っている
もう見守ること以外なにもできないような気はするけれど・・・