撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

秋空に想う

 相変わらず日差しは強いけれど、風が気持よく通り過ぎていく。そうか風が変わった
のだ。季節が確実に廻って行こうとしているのだと感じる。


 この世界のすべてのものは変わっていくのだと。変わらないでいるためには日々
変わっていかなければならないのだと。昨日の幸せにしがみついていてもそれは
なんの役にも立たない。幸せはただその時々に感じるもので、そう感じられることに
感謝すべきもので、定まったものなどでは一切ないのだから・・。


 人の心も刻々と変わる。好きも愛してるも、すべてを許すも全部受け容れるも
安心してしまえば変わることを忘れてどこかに置き去りになってしまうだけだ。それは
ただそうするだけだ。それは一瞬甘く優しいけれど、それをずっと続けることは
大きなエネルギーと苦痛を伴う。それでも、大切なものを大切にしたいのなら
その痛みや苦みまで味わうしかないのだろう。時折巡り合うように感じる、時折ピントが
合うように見える、「幸せ」や「愛」の美しさを知ってしまった人は・・・。


 そう、知っているだけまだいい。どちらにせよ毎日は大変なことと退屈なことで
できているのだから・・・。