撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

1986,1,20

 文章を書いていたら、忘れられない人のことを思い出した。今までそんなことを
考えつきもしなかったのに、その人の名前を検索にかけてみる。もう忘れ果てる
ほど昔にいなくなった人なのに、いくつかの記事が引っ掛かる。ある種のひとの
中では忘れられない出来事とともに彼の名前が刻みつけられている。わたしの
淡い想いとはまた別の意味で・・・。


 誰のものかもわからない短歌集の一ページにそのひとの名前を見つける。見も
知らぬひとなれど、その日を耳にするときはきっと同じ人のことを思い出すのだ
ろうと考えると、見ぬ人とも知らぬうちにつながっていることを想像する。いつもの
わたしならそのつながりに幸せを感じるが、こればかりはあまりにも切なく哀しい。


 どうしてこんなことを思い出したのだろう・・・。自分でも分からない。