撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

ただいちどのもの

 ちょっと空いた時間に、美術館まで散歩。常設展のインパクトの
ある絵でも観ようかな?ともおもったけれど、そこまでの時間も
ないことだし、入場無料のいくつかの展示を何の気なしに見て回る。


 かな書道の展示会があっていた。壁を彩る様々な作品。かな・・と
いうと、なんとなく、ちいさくて繊細で・・ってイメージがあったけれ
ど、なんのなんの!小品から大作までさまざま!趣のある料紙に趣向を
こらした装丁で・・。


 何度も何度も練習しないとこんなにバランスのとれた美しい字には
ならないだろうな・・でも、この作品を仕上げるときには、一気に
自分のエネルギーを集中させて創作しなければ、こんなに美しくて
瑞々しい一品には仕上がらないだろうな・・などと、想いを馳せる。


 何事も一緒なのかもしれない。その日々に、ハレとケの違いはあった
としても、ケの日々を丁寧に積み重ねることなしにハレを迎えても、そ
のハレの日が輝くものになるとは思えない。また、たとえ時には少し
心に陰りがあったとしても、せっかくのハレの日に自分の想いのままに
楽しむことができなければ、それに続く長いケの毎日を暮らしていく
ことすら味気ないものになるかもしれない。


 どちらもただいちどのもの・・・二度と戻らない日々だということ
だけは確かなこと。


 などとつらつら思いながら石段を踏みしめラグビー観戦へと向かう
わたし・・。じっくりと子供たちの想いをかみしめながら静かに観戦
・・などという芸当ができるほど人間できてなかったぁ〜!(笑)