撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

無理強いはやめいいうとったやろ(ちりとてちん)

 何気ない場面の優しさが好きだった今日のちりとてちん


 例えば小草若と四草の本気のやりとりを見て見なかったふりを
して去っていく正平。(今日の四草はこれまた素敵でした)
 

 いつもの「そこぬけに〜」と仕事場に入ってくる小草若に「普通に
入ったらええのに」と微笑みかけるお父ちゃん。


 落語会で会えるからいいやんとお母ちゃんをなだめる正平。姉に
さりげなく「無理強いはやめいいうとったやろ」と伝える正平。


 自分の昔を振り返る奈津子さん、その奈津子を見つめる小次郎。


 お父ちゃんが手渡したおじいちゃんの塗り箸を受け取るときに、
さりげなく指輪をはずしていた小草若。この人って、やっぱり大切に
育てられた優しい人なんだって分かる。人が大切にしているもの、
また自分が関わる人に、ていねいに大切に向き合うことが出来る
ひとにちがいない。


 「追いかけたら追いかけるほど父の背中が小そお遠おなっていく
気がする・・それでも追いかけずにはおられんのです」


 父への想いを、塗り箸への想いをそう語るお父ちゃん。何かへの
想いが強すぎると、不器用にぶち当たって傷つけてしまうことが
ある。またどうかすると逆に臆病になって正面からぶつかることが
怖くなってしまうことがある。人のことはよく分かる優しいひとなど
自分のこととなると自分のなかに抑え込んだりすることもあって・・。


 自分の想いをひとへと無理強いすることはそれはもちろん要注意。
しかしながら、流れようとする、溢れ出そうとする、自分の想いに
無理に折り合いをつけて何とかなだめて消そうとするのもまた一層
要注意・・なのだと思う。


 普通に・・普通に・・。普通がどんなことかも忘れるほどに自分で
抑えつけていたのなら・・時には涙を流すように、大きな声を出す
ように想いのままにこころを動かしてやればいい・・そう思う。