撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

自分から(ちりとてちん)

 三味線のお稽古を始めた喜代美と清海。おばあちゃんかっこいい!


「自分から言い出したのだから・・」
「あの子とお父さんのこととはなんの関係もありません」
「大丈夫、お稽古したらできるようになります」


 背筋がシャンと伸びたような、筋がピンととおったような、美しさ
と潔さ、を感じさせてくれる。こんな風に歳を取っていきたいな。



 清海の兄と喜代美の場面もおかしい。好きになったひとのことは
忘れても、好きになってくれたひとのことは忘れない・・と女心を
語ったのは田辺聖子さんだったかな?でも、若い頃は、自分を好きに
なってくれているひとには気づかない。自分のことで精一杯だから・・。
 それと、潔癖で純粋だから、自分が好きじゃなかったら、いくら
想われようがそれがなんぼのもんじゃ!というところでしょうね(笑)
 平手打ちもされず、バッグで張り飛ばされているうちは、A子兄の
恋路も厳しいものがあるでしょうね。大切にされることに慣れて、
不器用になっているオトコは愛情表現屈折してるしねぇ・・。


 そのあたり、清海が可愛らしくいい子に育っているのは「丁度いい」
のでしょうね。もっともそれだけでなく、ちりとてちんをマスターして
くるように、努力もしているのだろうと思う。高校にもなれば、その
ことも自分でも分かっていると思う。彼女なりの悩みもあるに違いない。
しかし、「努力をすることが苦にならない」彼女の今があるということは
やはり幸せなことなのかもしれない。